★高妻山(たかつまやま)
基本データ:高妻山(標高)2353m(場所)長野市・妙高市(コース)一不動経由往復(標高差)約1180m(総距離/時間)約15q/10h(備考)日本百名山・信州百名山
☆登山
高妻山は山岳信仰の山として、登山道に十三仏が祀られています。一不動明王から五地蔵菩薩(五地蔵岳1995m)を経て、十阿弥陀如来が祀られている高妻山に登りました。
山頂からの眺めは素晴らしく、360度の大パノラマが広がっていました。
☆日本百名山
深田久弥は、「日本百名山」の後記の中で、百名山の選定基準を示しています。
第一は「山の品格」、「誰が見ても立派な山だと感歎するもの…。厳しさか強さや美しさか、何か人を打ってくるもの…。人格ならぬ山格のある山でなければならない」。
第二は「山の歴史」、「昔から人間と深いかかわりを持った山…人々が朝夕仰いで敬まい、その頂に祠(ほこら)をまつるような山」である。
第三は「個性のある山」、「形体であれ、現象であれ、ないしは伝統であれ、他に無く、その山だけが具えている独自のもの」のある山である。この三つを挙げています。
そして、附加的条件として、「大よそ千五百米以上という線を引いた。山高きをもって尊しとせずだが、…」と記しています。
戸隠連峰は、「蟻ノ塔渡」のある八方睨をもって表山あるいは御山というのに対して、高妻山は北の乙妻山とともに戸隠裏山、「剣の峰」ともいわれています。
深田久弥は、高妻山について「戸隠・飯縄・黒姫連山で最高峰であるのみならず、山の品格からいっても一番立派である」と記しています。(出典:深田久弥『日本百名山』新潮文庫,1978年)
☆高妻山の名前
日本の建築様式には、棟(むね)から両側に葺(ふ)きおろす形式の屋根を持った「切妻造」があります。ちょうど本を開いて伏せたような形式の屋根で、その三角形になる面を「妻(つま)」、四角形の面を「平(ひら)」といいます。
長野市からは、高妻山が三角形に高くそびえて見えます。今回登って分かったことですが、乙妻山側からは、高妻山が切妻造の屋根の四角形の面に見えました。このことから、「高く妻がそびえる山」すなわち、「高妻山」と名付けられたのではないかと思いました。こんな説はどうでしょうか。
☆高妻山のグレーディング
なお、信州山のグレーディングによると、戸隠山の体力度は10段階のうち3段階(日帰りが可能)、登山道を通過する際の技術的な難易度はA〜E(最高難度)のうちのD段階に評価されています。高妻山は難易度は同じD段階ですが、体力度は4段階(一泊以上が適当)に該当します。登山には十分な注意が必要です。